感想とか

観たもの聴いたものをアウトプット

コララインとクボの対比

 ※ネタバレ一切配慮していませんのでご注意ください

 

 

 

脚本も監督も違うので本来比較対象にはならないとは思いますが、2作品はとても対称的だと感じました。

 

コララインはファンタジックな映像とは裏腹に、現実的な精神の成長を描いていて、クボは肉体的な経験及び両親の死という喪失を乗り越え、子供ながらに大人を諭すある意味フィクションらしい作品なのかな、と。

 

コラライン:現実世界の不満を内(家の中=自身の中?)に向かって冒険をします。

 

この作品の中の魔女のいる別世界というのは、あくまで彼女の夢想の中の世界なのだと思いました。魔女や別世界の世界観を共有できるのは同じ子供のワイボーンのみだからです。
魔女は現実世界を受け入れて生きていくための理由付けでしかないので、何故魔女が子供たちをさらって目をボタンにするのか、そこに意味はないのではないでしょうか。
少女から大人への過渡期に誰しも体験する不合理な世界を肯定するため、ある種の諦めと現実世界に希望を持つための通過儀礼の物語だと感じました。

 

KUBO:一方、クボは自身のルーツと身の安全を守るために暮らしていた島から外の世界へと冒険へ向かいます。

 

それまで夜間の外出を禁じられていた男の子が、勇者的な行動や周囲の助けを借りて、何度も危機や困難を乗り越え、目的を達成します。そのために一人で海に飛び込んだりと、かなり無茶な行動もします。
最終的に、旅を通して自身の出生の秘密を知り成長を遂げたクボは、仇敵を家族として受け入れる選択をしました。
魔法や冒険を加味せずとも、小さな子供が取る選択肢としては不自然で、ファンタジーであると言えます。
現実的な結末を迎えたコララインの成長とは真逆であると感じました。

 

とは言え、どちらも魅力的な子供の成長物語でした。
個人的には物語には夢と希望を求める人間なので、KUBOの方が好ましいと感じましたが、胸に切ない取っ掛かりを残すコララインの方が結果、印象的かもしれません。