感想とか

観たもの聴いたものをアウトプット

11月後半〜12月映画感想

※ネタバレ一切配慮していませんのでご注意ください

 

 

 

コララインとボタンの魔女 11/16


KUBOを観に行く前に、ずっと気になりつつネトフリのマイリストで眠っていた旧作であるこちらを見ようと思い立ちました。

 

児童文学が原作らしいですが、少女の空想のような楽しくも恐ろしい世界感でぐっと引き込まれます。ストップモーション手法を用いて、気が遠くなりそうな時間と手間をかけて作られたこの作品、美しい映像だけでもアートとして賛賞されるべきです。

 

原作未読なので原作もそうであるかはわかりませんが、少なくとも映画では「表面上すごく魅力的なものであっても裏にはなにがあるかわからない」とか「現実の人間関係と大事にしなければならない」とか、教育的な側面があるかと思います。
しかしそれらは全てコラライン自身の気付きでしかなく、仕事にかまけて一人娘を蔑ろにしていた(とコララインには思える)両親が、コララインの葛藤を知ったり、コララインへの態度を改めようとはしないんですよね。
そこが少し寂しいというか、大人への階段を登らなくてはいけないんだなあという気持ちにさせられて、ビターな後味でした。嫌いじゃないですけど、物悲しいです。

 

主人公のコララインの描き方が素晴らしいと感じました。夢見がちで両親や友人からの情に飢えていて、好奇心旺盛でわがままで。だけどイタズラ好きで快活なので、見ていて憧れを抱いてしまうような。リアルでありつつ共感できる女の子像が大変巧妙に切り取られています。


魔女がいったい何者なのか?どうして子供の目をボタンにしてしまうのか?など明かされていない部分も多く、そこは少し物足りなく感じました。→この辺は後で自分で整理してみたので別記事に書いてみます。

 

 

 

■KUBO 二本の弦の秘密 11/18


ライカ作品視聴3作目。表情の豊かさ、滑らかさ、加えてアクションが多いのに、ストップモーションには全く見えません…。
ストーリーはやや継ぎ接ぎ感が否めませんが、起承転結や製作者の伝えたいことは明快なのでストレスなく観ることができました。

 

日本が題材となっていて、(日本人から見ると多少首を傾げる部分もありますが…)輪廻転生やお盆行事などの死生観、アニミズム的なモチーフ(擬人化)の使い方、かぐや姫のような不死の天上人の存在といった宇宙観は、どれも日本人にとって馴染み深く没入しやすいです。


三味線を家族に見立てたり、折り紙がクボが旅するにあたり重要なキーアイテムになるなどスタッフ陣の日本愛を感じます。

結末にはボロボロ泣いてしまいました。クボはまだ幼い子供ですが、子供だからこその強さにはとても心打たれますし、勇気付られますね。

 

 

 

ジャスティスリーグ 12/1


ヒーローが集まって悪と戦う、と言うよりはBvSで死んだスーパーマンの復活、に重きを置いた作品だと思います。
この復活をやりたいがためのMoS、BvSだったのでは、と思うほどです。
キャラクターも物語もその結果に向かって収束していく形なので、やや強引なストーリーライン。
前半はバットマンワンダーウーマンがリーグのメンバー集めに奔走するのでエピソードが詰まっていますが、後半はやや失速感が否めませんでした。


さながら神のように復活したスーパーマンにはステッペンウルフ相手に余裕すら感じられ、強さが頭一つ以上飛び出て強調されます。

復活後混乱してヒーローたちを攻撃するスーパーマンは正直ステッペンウルフより脅威なのでは…?
……お気付きでしょうが私はスーパーマンの盲信者です。

 

エズラミラーの演技は感嘆ものですね。ファンタスティックビーストの時もダークホースぶりにびっくりしたけど、今回も引き込まれました。過去作品も観てみたいですし、フラッシュ単独作が楽しみです。
ガル様の美しさには思わずため息が出ます。
あと何故か強調される各ヒーローのお尻披露シーンみたいなところ、大笑いしました。

 

 

 

■パラノーマン 12/16


テーマはかなり重いですが、笑える要素がふんだんに散りばめられているので最後まで飽きないですし、年齢問わず楽しめる作品です。


てっきりノーマンが町中いたるところにいる幽霊の力を借りて町を救うと思っていたので、その設定が活かしきれてないのでは?とも思いましたが、魔女の幽霊と話せるのはノーマンだけなので、結果町を救えるのはノーマンだけでした。


「他人と違っている」ことを口に出すことを控えていても差別されるのですから、それを口に出すことはとても勇気のいることですね。
この作品を見る前にヘイトクライムの被害者家族の講演ビデオを見ていたのですが、見終わった後にそれを思い出してしまっていました。
パラノーマンは物語なのでめでたし、めでたしで終わりますが現実との差異を感じて少し悲しくなりました。

 

 

 

羊たちの沈黙 12/17


原作は未読です。
名作の評価に間違いなく、映像、キャスト、ストーリーどれをとっても素晴らしい作品でした…!
何故もっと早く観なかったのか…!


クラリスの人を惑わす理知的な美しさ、ハンニバルの底なしの怖さ、連続殺人犯はいったい誰なのか?という謎が重厚に絡み合って最後まで飽きさせないつくりですね。
続きを想像させ余韻を残すエンディングも大好きです。